滑る・見えない・止まらない!! 梅雨時はクルマ泣かせの時期。けれど、ちょっと気をつけるだけで不安は激減! そこで、今すぐチェックしておきたい7つのポイントを厳選。サクッと済ませて、安全第一で梅雨を乗り切ろう。
文/藤原鉄二、写真/写真AC、Adobe Stock
【画像ギャラリー】ヒヤッ!! とする前に…梅雨時の愛車をサクッとチェック! 押さえておくべき7つの項目(12枚)画像ギャラリーチェック1「まずはここから! ワイパーゴム+ブレードの状態を確認」
まずはワイパーゴムやワイパーブレードと言われると、「当然じゃないか」と思うだろう。しかし、多少の不具合を感じても「まだ大丈夫でしょ」と、そのまま使い続けてしまいがちなパーツだ。
しかし、安全に運転をするうえでの最重要事項はクリアな視界の確保。なので、拭きムラやスジが出る、ビビリ音がする場合はケチらず即交換は鉄則。
ワイパーの交換目安は一般的に、ゴム部分(ワイパーラバー)が半年~1年、ワイパーブレード(金具部分)が1~2年ごとといわれているものの、ゴムは寒暖差や紫外線に弱いため、使用環境によっては目安より早く劣化するケースも少なくないのだ。
ちなみに、撥水タイプのワイパーゴムに替えると、雨水がガラス上を流れやすくなり視界がさらに向上する。
また、ブレードがゆがんでいれば、ゴムがガラス面にしっかり接せず、拭き残しの原因に。理想はゴムとブレードをセットで点検・交換することだ。
チェック2「それでも拭きムラ、ビビリ音が治らないならワイパーアームの不具合を疑う」
ワイパーゴム+ブレードを換えても状況が変わらない場合は、ワイパーアームの劣化も疑おう。
ワイパーアームは比較的耐久性のある部品であり、一般的な使用環境であれば10年・10万km程度は不具合が出にくいとされている。それだけに意外な盲点となるる部分だ。
実は、使用頻度が高い、海辺や直射日光の当たる場所に駐車することが多い、降雪地域や寒冷地で使用することが多いなど、使用環境によっては5〜7年で劣化症状が出始めることもあるのだ。
ワイパーアームが劣化すると、バネ力(テンション)が低下し、ガラス面への圧が不均一になることで拭き取りが甘くなってしまう。
また、テンションが弱いと高速走行中に風圧に負けてワイパーが浮いてしまうことも。結果、ワイパーが「ただ動いているだけ」の状態になることがある。
劣化でワイパーアームの動きがズレたり、ワイパーブレードが外れたりすると、金属部分が直接ガラスをこすってしまうおそれもある。これが起きると、ガラスに傷がついてしまうことも……。
さらに押しつける圧力が偏ると、ワイパーブレードが無理な動きをするため、ゴムにも余計な負荷がかかって劣化も早まる。
ワイパーアームの交換はDIYの難易度が高いのでプロに交換を依頼するのが無難。左右を交換すると、工賃を含めておおよそ1万円ほど(純正部品を使用したり、車種によってはそれ以上の場合もあり)と、少しコストはかかってしまう。
しかし、ワイパーアームを換えると見違えるようにワイパーの性能が上がるだけではなく、ゴムの劣化を遅らせることもできるため、コスト面からみてもお得といえるだろう。
チェック3「タイヤの溝と空気圧は”命を預ける”重要項目」
雨天時のスリップ事故を防ぐためには、タイヤのコンディションを良好にしておくことが何よりも重要。
タイヤの溝に十分な深さがなければ排水機能が低下して「ハイドロプレーニング現象」が発生しやすくなる。
タイヤには溝の深さが1.6mmを下回ると使用限度を示す「スリップサイン」が現れる。この状態に達してしまえば、雨天時のみならず晴天でも制動力が落ちて非常に危険だ。
ちなみに、溝の深さが一部でも1.6mm未満のタイヤ(スリップサインが1箇所でも出たタイヤ)を使用することは法律で禁止されている。
溝の深さを手軽に確認できるのが「10円玉チェック」。
10円玉を逆さにして溝に差し込み、もし「10」がすべて見えていたら交換の検討を。逆に、数字が溝にしっかり隠れる、あるいは大部分が隠れる状態であれば、まだ一定の深さがあると判断できる。
もういっぽうの空気圧。
空気圧が適正値より低すぎる場合、接地面積は大きくなるが、それがかえって排水性を損ねる原因になる。
タイヤはトレッドパターン(溝)によって水を外に逃がす設計となっているが、空気圧が低いとタイヤが変形して接地面の溝の形が崩れ、本来の排水機能が発揮されなくなってしまう。
その結果、タイヤと路面の間に水の膜ができやすくなり、ハイドロプレーニング現象が起こりやすくなるのだ。
いっぽう、空気圧が適正値より高すぎるとタイヤ中央部だけで路面を捉える状態になるため、接地性が悪化してしまうことになる。
ということで、梅雨時はタイヤの溝と空気圧にはいつも以上に気を遣ってほしい。
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