発表当初も驚いたが、振り返ると「どうしてこんなクセの強いクルマを売ったのか不思議……」や「今の時代だからこそ欲しい!」と思う超個性派のクルマたちが存在する。ここでは、そんなクセ強カーの傑作たちを一挙にご紹介する!!
※本稿は2025年5月のものです
文:伊達軍曹/写真:トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、三菱、スズキ、ダイハツ、いすゞ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年6月10日号
PART 1:デザインが「クセつよ」!!
●日産 エクサ キャノピー
ボディ後端にキャノピーを付けてシューティングブレーク風にした一台。北米ではこれを脱着しての「着せ替え」が可能だったが、日本では固定式になったため、さらにクセ強に。
●スズキ X-90
SUVなのになぜか2ドア2シーター。それでもモノコックボディであればまだ理解できるが、なぜか超本格的なラダーフレーム構造を採用。すべてにわたってクセが強すぎた。
●トヨタ WiLL サイファ
「ディスプレイ一体型ヘルメット」をモチーフにデザインされた、ヴィッツベースの小型車。「2002年当時の最先端感」が一周回ってまた最先端っぽい気もするが、気のせいだろう。
●トヨタ WiLL Vi
サイド部分は昔の馬車をモチーフにしたそうだが、昔の馬車というより「かぼちゃの馬車」に近い感じか。このフォルムのせいで自動洗車機が誤作動を起こしたという伝説も。
●いすゞ ジェミニ ハッチバック
ジウジアーロの筆による2代目ジェミニに対し、3代目もセダンはまずまず見られるデザインだったが、1991年に追加されたハッチバックは「4コマ漫画に出てくる車」のような顔に。
●三菱 ミニカ タウンビー
7代目ミニカのタウンビーは「正統派擬似レトロ」という感じだったが、8代目のタウンビーは謎の世界へと飛翔。何をモチーフにしたのかは完全に不明で、ある意味斬新だった。
●トヨタ bB オープンデッキ
夜が似合う初代bBを「真昼の太陽が似合うクルマ」にするべく、ボディ後端をピックアップトラック風に。荷台は狭いが、夢と希望を載せることはできた。助手席側は観音開きだ。
●スバル インプレッサ カサブランカ
インプレッサ スポーツワゴンをレトロ風にした一台。ハチャメチャなバランスが酷評されたが、ここまでアンバランスだと逆にインパクト充分で魅力的かも(気のせいと思うが)。
●三菱 エアトレック スポーツギア
エアトレックの北米仕様をベースに車高を55mm上げ、専用フロントグリルなどを追加したモデル。日本では妙な顔に見えたが、アメリカの住宅街で見ればわりと普通に感じるかも?
●トヨタ セラ
スターレットをベースにグラスキャノピーとバタフライドアを採用した1.5Lクーペ。2Lターボとかではなくスターレットベースの1.5L車でコレをやろうと考えたトヨタのクセが強い。
●ダイハツ リーザスパイダー
当時、他社は「ビート」などのスポーティな軽オープンを開発したが、手持ちの駒がなかったダイハツは普通の軽をオープン化。とはいえ2座化したことで絶妙なクセが生まれた。
PART 2:コンセプトが「クセつよ」!!
●トヨタ コロナスーパールーミー
9代目コロナのBピラー部を210mm延長させたストレッチリムジン。室内長が10系セルシオ以上に長いのは立派というほかないが、「なぜコロナを選んだ?」という疑問は残る。
●いすゞ ビークロス
「悪路も走破可能な全天候型スポーツカー」というコンセプトで1997年4月に登場。斬新で素晴らしいコンセプトだったが、結局はスタイリングの斬新さだけが評価されたのが残念。
●マツダ AZ-1
「軽自動車のスーパーカーを作る」という高い志から、ミッドシップ&ガルウイングを採用。その結果ガチな一台に仕上がったが、フォルムは「スーパーカー消しゴム」風だった。
●ダイハツ ミゼットII
レトロ可愛いデザインが話題に。当時の軽規格よりはるかに短く狭いボディを採用していて、軽トラ型はまさかの一人乗り。一番安いグレードが約47万円と割り切りも凄かった。
●トヨタ ソアラ エアロキャビン
世界で初めて「電動格納式メタルトップ」が採用されたのがこちら。Cピラーなどが固定されたままオープンになる様はちょっと笑える感じではあったが、偉大な挑戦ではあった。
●三菱 パジェロジュニア フライングパグ
「カープラザ店」の20周年を記念した1000台限定車。この種のレトロ車としては素敵なデザインだったが、1.1Lという中途半端な排気量などが災いし、いまいち売れなかった。
●日産 マーチ ボックス
2代目マーチのリアオーバーハングを延長し、荷室長も240mm延長して荷室スペースを拡大した一台。利便性を高めるというコンセプトはいいが、さすがにフォルムがクセ強すぎた。
●スズキ ツイン
全長2735mmという最短の車体を採用した軽。マイクロカーとしてのコンセプトに見るべきものはあったが、さすがに「鉛バッテリーのハイブリッド」はちょっとどうかと思った。
●トヨタ iQ
軽自動車より短い全長2985mmの中で「4人乗り」を実現させたマイクロカー。ダッシュボードを左右非対称構造とし、助手席を通常より前に配置するという涙ぐましい努力が行われた。
●ホンダ CR-X デルソル
トランクリッドが真上に動いてガイドが伸び、ルーフが出し入れされるという複雑な動きをする「トランストップ」を採用。いかにも故障しやすそうな設計だが、やはりよく壊れた。
●三菱 ミラージュ XYVYX
そもそも車名の読み方がわからないクセ強車だが、「ザイビクス」と読む。ハッチバックだが2シーターで、目隠しされた後部空間は「自由に遊んでほしい」というコンセプトだ。
●ホンダ S-MX
前席ベンチシートでは肩寄せ合って座ることができ、後席は300mmのロングスライドによって広々としたラブソファにもなるという「恋愛仕様」で、「走るラブホ」とも呼ばれた。
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