ラパンにワゴンRスマイル、ムーヴキャンパスなど、かわいい系軽自動車はこれまでいくつも登場してきた。しかし、キャッチコピーに「超・ラブリー」と冠したクルマは、これまでただ1台だけだ。3代目ミラをベースにしたダイハツのスペシャリティ軽自動車は、可愛らしさとエレガントさを両立させた女性人気の凄いヤツだった。トップオブかわいいクルマのオプティを振り返っていこう。
文:佐々木 亘/画像:ダイハツ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】初代はカワイイ系! でも2代目はスポーティー寄り!? おしゃれだけどおもしろいダイハツ オプティ(8枚)画像ギャラリーお椀を伏せたようなかわいいやつ
1992年に登場した初代オプティは、若い女性をターゲットにしたリーザ(1986年登場)の後継を担うクルマだった。
ボディデザインは単に可愛らしいだけでなく、美しさも強調する。プレスラインを極力排した曲面基調のボディパネルは、ボディ表面に映りこむ風景を綺麗に映し出した。そのボディ造形は、お椀を伏せたようと称され、オプティに唯一無二の存在感を与えたのだ。
発売当初は3ドアだけのラインナップ。しかし、翌年には5ドアハッチバックを追加する。3ドアの最上級グレードOxは、4AT仕様で110万8000円という高額なクルマだったが、電動キャンパストップを標準装備するなど、高級感を強く打ち出した。
また、1996年に追加されたクラシックシリーズは、スバルのヴィヴィオビストロで火が付いたレトロ調ブームを追いかけたもの。丸目のヘッドライトに、逆三角形のフロントグリルがなんともいい雰囲気を醸し出し、オプティの人気を決定づけた1台だ。このクルマは、ミラジーノの原点とも言えるだろう。
初代オプティは、軽自動車規格が改定された1998年まで販売された。軽自動車の本流はワゴンRなどの登場により、トールワゴンタイプへと変わっていったが、独自のスタイルを維持しつつ存在感を高めたオプティは、満を持して2代目へと切り替わる。
新規格で新ボディデザイン?
1998年に登場した2代目オプティ。立ち位置はミラの上級モデルで、軽自動車規格の変更に伴い、全長・全幅・ホイールベースが拡大されて、室内スペースは非常に広くなった。
ボディは先代のお椀のようなハッチバックから大きく変わり、軽自動車としては非常に珍しい4ドアハードトップになっている。センターピラーはボディサイド内側にあり、ドアがサッシュレスになっているのは、高級車オプティの証とも言えるだろう。
独立したトランクを持つクルマは、軽自動車として希少な存在だったが、このボディデザインになったのは、ボディ剛性などの問題でハッチバックを採用することが難しかったからという側面もあり、手放しで喜べるものではなかった。また、トランク設置のためのノッチが、後席レッグスペースを大きく狭めてしまい、ロングホイールベースのメリットが少なくなってしまっている。
女性ユーザーを強く意識した初代とは違い、2代目はスポーティグレードを中心にして若い男性ユーザーの支持を集めた。オプティという同一車名で、世代ごとに男女それぞれの支持を集めたクルマというのも、また珍しい存在だ。
特に人気を集めたグレードは、スポーティモデルのビークス。4AT仕様で105万円と決してリーズナブルではなかったが、標準モデルのCXよりも人気と注目を集めた。さらにエアロダウンビークスは、13インチアルミホイールと25mmダウンのローダウンサスペンションを装着した本気仕様のスポーツグレード。独特なフロントマスクが、なんともかっこいい1台だ。
初代と2代目で、これほどまでにデザインが変わり、支持層が大きく変わるクルマも珍しい。ラインナップとしても少し元気が無い現在のダイハツには、オプティのような変わり種の高級車が必要なのではないだろうか。
世の中を驚かせる奇抜な軽自動車が、またダイハツから出てきてほしいものだ。
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